研究概要

 自然界の植物は数え切れないほどの微生物と一緒に生活しています。その中には、植物に病気を起こす微生物もたくさん含まれています。植物はそれら病原微生物の攻撃からどのようにして身を守っているのでしょうか。これに対して病原微生物はどんな機能で植物に感染し病気を引き起こしているのでしょうか。また、発生した病気はどのようにしてまん延していくのでしょうか。本研究グループでは以上のような植物と病原微生物との相互作用に関するテーマを中心に研究を進め、病原菌の病原性や植物の抵抗性しくみを明らかにするとともに、得られた知見をもとに効果的な病害防除法や診断法を開発することを目指しています。特に、近年は環境保全型病害管理システムの一環として有用微生物を利用した病害防除法の開発を目的とした研究を行っています。
 研究グループでは週1回のセミナーと定期的な研究成果報告会を行うほか、機会があれば国や県あるいは民間の研究施設を訪ねることもあります。また、圃場作業の後などに、ノミニケーションで大いに盛り上がることもあります。植物の病気という生物現象を通して、植物や微生物の相互作用について研究したい人は、是非お訪ねください。歓迎致します。

【最近の主な研究課題】
最近行っている主な研究課題は以下のとおりです。なお,研究テーマの割り当てに当たっては本人の興味を十分に考慮しています。

T.植物病原糸状菌のDNAによるモニタリング技術の開発に関する研究
植物病害の防除には,病原菌のモニタリングをできるだけ正確に行うことが重要です。そこで,ウリ類に急性萎凋症を起こす黒点根腐病菌(Monosporascus cannonballus)やホモプシス根腐病菌(Phomopsis sclerotioides),さらにナシ白紋羽病菌(Rosellinia necatrix)を対象に,これらの菌に特異的なDNA領域を利用して病原菌を検出・定量する手法を開発しています。

U 半身萎凋病菌(Verticillium dahliae)トマト系菌群特異的遺伝子領域の解析
特定の宿主域を持つ病原菌に見出された特異的な遺伝子を解析し,菌の病原性を含めた生理的機能を明らかにしようとする研究です。またその遺伝子領域を指標に,菌の検出や同定など診断への応用も試みています。

V.植物と病原菌との相互作用に関する研究
病原菌はなぜ特定の植物にしか寄生し得ないのかという問題を物質レベルで解明しようとする研究です。菌の分泌成分の植物に対する生理機能や,植物成分に対する菌の反応などを中心に調査しています。

W.植物病害の生物的および生態的防除に関する研究
植物病害の中でも特に防除が困難とされる土壌伝染性病害を対象に,その活動を抑える微生物の探索と,それによる病害制御(生物的防除)のメカニズムを生理・生態学的に解明するとともに,有用微生物の効果的な利用方法について検討しています。

X.植物病害の耕種的防除のメカニズムに関する研究
従来から病害軽減のために利用されてきた有機物資材や堆肥,輪作のような耕種的病害防除法のメカニズムを科学的に解明し,その効率を向上させる目的で,土着の微生物多様性やその機能と病害発生との関連性を調査しています。



研究グループのメンバー

教授  雨宮 良幹 (B棟210号室)
     → 研究科・教員紹介のページ
     → 雨宮 良幹のホームページ

E-mail: yoshiame@ faculty.chiba-u.jp/Tel&Fax: 047(308)8823

准教授  宍戸 雅宏 (B棟211号室)
     → 研究科・教員紹介のページ
     → 宍戸 雅宏のホームページ

E-mail: shishido@ faculty.chiba-u.jp/Tel&Fax: 047(308)8824


助教  宇佐見 俊行 (B棟212号室)
     → 研究科・教員紹介のページ
     → 宇佐見 俊行のホームページ 

E-mail: usami@ faculty.chiba-u.jp/Tel: 047(308)8825      

学生 (B棟213号室 Tel 047(308)8825)

大学院(園芸学研究科)
(M2) 伊藤 潤,大橋 竜也,川村 武,小宮 良美,森井 智美
(M1) 赤神 沙織,白銀 隼人,高宮 由花,東 勇輝,松田 咲

学部4年生
大塚 衣里子,酒井 睦,佐藤 竜馬,高倉 拓也,寺田 壮志,松原 千純,坂本 恵介,


同窓会(千葉大ルーペ会)と進路

 植物病学研究グループの同窓会および親睦会として旧植物病学研究室出身者を中心に「千葉大ルーペ会」を組織しています。会員数はこれまでに500名余りに達し、公的機関や民間企業の多方面の分野で活躍しています。毎年秋には会報の発行と総会およびルーペ会主催の講演会を行っています。また、平成18年には会設立50周年を迎え、記念総会が浅草「桃タロー」で開催されました。この焼きかつレストランは1957年に第1回総会が開かれたところです。

平成22年度ルーペ会講演会(吉永博巳氏)

 卒業生・修了生の就職先は伝統的に公務員(主に農学職)や種苗会社を中心とするアグロ関連の職種が多いのですが、他にも食品や製薬会社などのバイオ関連企業・研究所などにもたくさん就職しています。過去5年間の卒業生の進路は次の通りです。(延べ人数)

  公務員 団体職員 民間企業 進学 その他
学部卒業生(40名) 2 0 17 20 0
大学院修了生(22名) 6 0 15 0 1

主な就職先 (H18〜H23):
農林水産省,経済産業省,千葉県,茨城県, 栃木県,高知県,市川市,サカタのタネ,カネコ種苗,明治製菓,ロッテ,キューピー,理研ビタミン,セントラル硝子,日新製糖,日本食品分析センター, 小野薬品工業, ユニカフェ,大塚製薬, 筑波実験植物園,製品評価技術基盤機構, 高知県経済連, 萬有製薬,三菱化学,住友製薬, 出光興産, etc.

    
    平成22年度ルーペ会懇親会にて


FAQ

Q: 現在、園芸学科2年生ですが、どうしたら植物病学研究グループに入れるのですか?
  また、希望すれば、必ず入れるのですか?

A: 植物病学研究グループは平成19年度からの学部改組により園芸学部の園芸学科・生物生産環境学プログラムに属します。したがって、2年生で行われる教育プログラム選択で生物生産環境学プログラムを選んでください。そして、3年生前期に行われる指導教員決定時に植病研究グループに属している教員の誰かに卒論研究を指導してもらうように希望してください。残念ながら、どちらの分属時にも定員が予め決まっていますので、必ず希望通りになる保証はありません。しかし、希望者が定員を上回ってしまったときは、できる限り学生同士による話合いで解決していますので、あなたが植病研究グループ希望であることを日頃から表明しておくと良いでしょう。もちろん、植病関係の授業(植物保護学、植物病学総論、植物病理化学、植物病原生態論)をしっかり受講して、良く勉強しておくことは重要です。


Q: 植病研究グループでは学生の研究テーマはどのようにきめるのですか?

A: 植病研究グループでの研究テーマは、各教員が次年度に入ってくる学生との話し合いによって決定します。具体的には、3年次前期中に各学生が自分自身の(学問的)興味に基づいて指導教員を選びます。しかし、教員はそれぞれが大きな研究テーマの枠組みの中で、外部資金を獲得しながら研究しています。できるだけ学生の興味に沿った研究テーマを提示してあげたいとは思うのですが、残念ながら、そういったテーマが毎年あるとは限りません。植病研究グループに興味があるのでしたら、卒論や修論の研究テーマとして近未来にどんなものを考えているのかを気軽に教員に尋ねてみてください。


Q: 現在、他大学の4年生です。千葉大の植病研究グループに大学院から入るにはどうすればよいでしょうか。
  また、大学院入試の試験科目を教えてください。

A: 植病研究グループの大学院生は千葉大学大学院園芸学研究科に属します。したがって、入学願書を園芸学研究科から取り寄せて、提出してください。願書の締切りは例年7月頃で、試験は8月中旬です。合否は専門科目の論述試験と英語、そして面接の総合点で決められます。しかし、いきなり願書を出して受験するよりも、事前に教員にメール等で様子を尋ねてみることを強くお勧めします。そのときに、なぜ植病研究グループに興味を抱いたのか、また、大学院で何をやりたいのかを必ず尋ねられます。希望理由の中にはアカデミック以外のものもあって当然でしょう。どんな内容にせよ、正直に希望理由の全てを述べてもらった方が後々困りません。また、年によっては大学院希望者が非常に多く、現実的に入学が困難な場合もないとは限りませんので、兎に角、事前に教員に問い合わせることをお勧めします。
 また、平成25年度入学者から、園芸学研究科の英語入試はTOEICまたはTOEFLのスコアが採用されます。入学願書に英語のスコアを記入するには、遅くともその年の5月までにはこれらの外部テストのいずれかを受けておく必要があります。


研究グループでの様子は以下のアルバムを開けばだいたい想像できるでしょう。

・ 研究グループセミナー(主として文献紹介、週1回2-3名ずつ)
・ 研究状況・成果報告会(年2回)
・ 研究圃場の整備(ときには、終了後に慰労会を伴う)
・ 国や県あるいは企業の研究施設の見学(機会があれば…)
・ 同窓会(ルーペ会)の親睦会開催と会誌の発行(年1回)
・ その他スポーツイベントなど、いろいろ

研究グループの年間イベント、ゼミ、日常生活、etc

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