上田 善弘
yueda@midori.h.chiba-u.ac.jp

 

 

千葉大学園芸学部 園芸植物科学講座 花卉園芸学研究室


【研究内容】

 バラは花の女王といわれ,有史以前から人類により育まれてきた文化遺産です.何万ともいわれる,これまで育成されてきた品種もそのもとを辿れば,わずか10種に満たない野生種から由来しています.バラ属(Rosa)の野生種は北半球にしか自生せず,その数は約150種といわれています.ということは,まだまだ利用されずに眠っている遺伝資源がたくさんあるということになります.そのような未利用の遺伝資源を掘り起こし,解析し利用していこうというのが私の主な研究テーマです.

 日本にもノイバラ,テリハノイバラなど約15種ほどの野生種が自生しており,ハマナスもバラの仲間です.現在みられる主要な栽培バラにも日本の遺伝資源が利用されてきており,上にあげた3種が大きく関わってきています.お隣の中国には最も多くの野生バラが自生しており,その数は82種(変種も含む)といわれています.特に中国南西部に集中しており,四川省,雲南省には数多くの種が自生していることが記載されています.これまでにも,雲南省とシルクロードで有名な中国北西部,新彊ウイグル自治区へバラ遺伝資源の探索に出かけています.

 

 

 野生バラだけでなく古いバラにも興味があり,栽培バラの起源がどこにあるかも探っています.バラはヨーロッパ起源のものだと思われていますが,実際にはそれより起源が古いのは中国です.中国では紀元前からバラが栽培されており,長春花,月季花の名で栽培されてきました.この中国のバラは日本には遣唐使により持ち込まれたといわれ,コウシンバラと呼ばれています.この中国のバラにはヨーロッパのバラになかった四季咲き性という年中咲き続ける特性があり,1700年代後半,植民地の開拓とともにヨーロッパにもたらされ,バラの品種改良に大きな影響を与えました.
  このような栽培バラの発達に大きな影響を与えたコウシンバラについても,それらを収集し,その起源の解析を行っています.


【主な研究課題】バラ属遺伝資源の解析

1.バラ属野生種の収集と変異の解析
(1)日本の野生種
  ・日本産野生バラの特定遺伝子の塩基配列による系統解析
  ・野生種からのうどん粉病抵抗性遺伝子の解析
(2)アジアの野生種
  ・中国新彊産野生種,Rosa persica および
R. platyacantha の変異解析
   
---- 特に種子形態と発芽特性について -----


 ・ラオスの野生種
--- アジアの南限種 ---

2.栽培バラの系統分化の解析
(1)中国栽培バラの成立
 ・
中国起源のティーローズの系統分化
A. 特定遺伝子の塩基配列による解析
B. 染色体のギムザ染色および
FISH による解析(遺伝・育種学研究室との共同研究)
・ティーローズの香料成分による系統解析(資生堂との共同研究)

3.バラの遺伝解析
(1)バラ属
Caninae節 にみられる特殊な生殖機構の解明
  ・奇数倍数性を維持する特殊な減数分裂,Balanced heterogamy の解明
(2)バラ属のゲノム分析
(3)バラ属野生種の核型分析(富山大学理学部生物学科、鳴橋直弘教授との共同研究)

4.新しいバラの作出
(1)青花品種の作出
  ・既存青系品種の花色素分析
--- 藤紫系花色の発色機構の解明 ---
(2)耐病性品種の作出


【共同研究者】
千葉大学園芸学部 遺伝・育種学研究室 木庭卓人助教授(バラ属染色体の構造解析)
千葉大学園芸学部 植物構造学研究室  西野栄正助教授(バラ属植物の種子形態)
岐阜大学教育学部
   松本省吾助教授(バラ属の DNA解析)
富山大学理学部
   鳴橋直弘教授(バラ属の核型分析)
資生堂香料研究所
   蓬田勝之(バラの花の香料分析)
中国新疆農業大学
   王斌(新疆産野生バラの探索調査)
中国江蘇省林業科学研究所 副所長   王国良(中国のバラ資源の収集とその利用)


【研究協力者】
京成バラ園芸(株)研究部長 平林 浩 
神奈川県農業総合研究所 富田裕明
バラ文化研究所 前原克彦
Mr. Toshikazu Koide, Lane Xang Agriculture Development Co., Ltd.,LAO P.D.R.

【研究業績】


【著書・訳書】

【学会発表】

 

 

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